今回はiPhone、スマホ、その他音楽プレーヤーで、
音楽を立体的に聴くための方法
を徹底解説します!!
アプリなどの立体音響エフェクトで擬似的にサラウンドを生み出す方法から、
イヤホンやプレーヤーにこだわって自然に音場を広げる方法まで、
あらゆる方法を見ていきましょう。
長めの記事になりましたので、目次をつけておきます。
《パート1:擬似的にサラウンドにする方法》
①iPhone/Androidスマホ 定番の立体音響アプリ
②楽曲そのものに立体効果をかけてからiPhone/スマホ/その他プレーヤーに転送する方法
③サラウンドエフェクトを搭載したハイレゾプレーヤーまとめ
④イヤホンのケーブルを取り替える(着脱可能イヤホンとケーブル種類)
⑤バランスプレーヤーの選び方(4極対応))
⑥究極のサラウンド:パート1(擬似)とパート2(自然)を組み合わせる
《パート1:擬似的にサラウンドにする方法》
【①iPhone/Androidスマホ 定番の立体音響アプリ】
まずサラウンド効果と聞いて思い浮かべるのは、
アプリで3D音響にする方法でしょう。
iPhone・スマホに入っている音楽を、
立体音響をかけられる専用のアプリで再生し、
立体的にする、という手軽な方法です。
アプリによって音質が変わり、
立体のかけ方にも特徴があるので、
実際に使ってみて好みを見極めるのがよいでしょう!
[iPhone 立体音響定番アプリ]
●Headquake
水平方向、奥行きともに調整できる優秀なアプリ。
●Boom for iOS
5日間のみ無料で使用可能、それ以降は有料になる。
[Android 立体音響定番アプリ]
●T×DOLBY music player
無料版と有料版あり。無料版は1日15分間のみ使用可能。
サラウンドで定評のあるDOLBYだけあって高品位なほう。
●MAVEN ミュージックプレーヤー
超定番。
いろいろなデザイン(スキン)がリリースされているあたりからも、人気ぶりがうかがえます。
ちなみにどの方法も、
元の音楽データ→立体音響アプリで再生
の変換過程でどうしても音質の劣化が起きます。
気にならない人はならないかもしれませんが、
「けっこう音が雑になるな…」と感じる人もいるでしょう。
あくまで立体音響を楽しむだけのアプリ、と考えたほうがよさそうです。
【②楽曲そのものに立体効果をかけてからiPhone/スマホ/その他プレーヤーに転送する方法】
①では「入っている曲に効果をかけて立体的にする」方法
を紹介しましたが、
今度は逆に「曲をプレーヤーに入れる前に立体効果をかけてしまう」方法です!
もう楽曲そのものに立体効果をかけてしまいますので、
どのアプリ・プレーヤーで再生しても3Dの状態になります。
音質としては、
iPhone・スマホのアプリとさほど変わりません。
ですので、
アプリが使えない音楽プレーヤー(iPodなど)で聴く人で、
3D効果を味わい人にちょうどいいですね♪
方法としては、パソコンのソフトで3D効果をかけて、
その3D効果がかかったままの状態で保存してしまいます。
ソフト名:Bien
無料のソフトです。普通に検索すれば出てくるでしょう!
ただし保存形式がWAVという形式で、かなりデータ量の大きい形式になってしまいます。
プレーヤーの容量が8GBとか16GBとかだったら、
小さめデータ形式に変換したほうがよいですね。
オススメはAAC320kbpsです。
音質を損なわず、容量を削減できます。
iTunesで変換できますよ♪
(BienでつくったWAV状態の曲をiTunesにドラッグ&ドロップで転送し、
曲を選択、
右クリックで「AACバージョンを作成」で変換できます!
※あらかじめ320kbpsを選択しておく必要はあります。)
ただしこの方法でも、ある程度の音質劣化は避けられません。
多少の雑さ・不自然さは残りますが、
お金をかけずに立体音響にするにはもってこいの方法でしょう!
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【③サラウンドエフェクトを搭載したハイレゾプレーヤーまとめ】
ハイレゾプレーヤーの中には、
iPhoneやスマホのように立体音響エフェクトを搭載したものがあります!
こちらは、
iPhone・スマホのアプリに比べて比べものにならないくらい高品位
です!
特に高価なプレーヤーになれば
全方位からの歪みのない感動レベルのサラウンド
を体感できます!
では、見ていきましょう!
●ウォークマン
Sシリーズ、Nシリーズ、ZXシリーズ、WMシリーズ
全てバーチャルサラウンド機能を搭載しています!
(Sシリーズはハイレゾ非対応)
サラウンドは、
『スタジオ』『ライブ』『クラブ』『アリーナ』『マトリックス』の5種類です!
実際使ってみると、頭全体が音楽に包み込まれるような感覚になります。
とても臨場感があって楽しいサラウンドですね。
ただし実質使えるのは、『スタジオ』と『マトリックス』くらいですね。
それ以外は音のバランスがかなり不自然になり、
「ちょっとやりすぎかな」という感覚になります(笑)
●COWON PLENUEシリーズ
安価モデルPLENUE D(2~3万円くらい)が発売されてから知名度は上がりましたが、
大手家電量販店でも扱っているお店が少ないので、
まだまだ知らない人も多いんじゃないでしょうか?
取り扱っているのはヨドバシカメラくらいですね。
とにかくエフェクトが多彩で、その中に3D音響効果も入っています。
PLENUE D、PLENUE M、PLENUE M2、PLENUE 1、PLENUE 2、PLENUE Sとラインナップがあります。
特にPLENUE 2とPLENUE Sは、
全ての音楽プレーヤーの中で最高クラスのサラウンドです!
解像度・繊細さが損なわれることなくサラウンド効果がかかり、
疑似サラウンドとは思えないほどの自然さを兼ね備え、
素晴らしい立体感・広がり・奥行きを演出してくれます。
ただ価格も高いものが多く、最上位のPLENUE Sに至っては20万円近くします。
コスパの高さで人気なのはPLENUE M2ですね。
(一応記事下にリンクがあります。)
●Acoustic Research
3D音響のエフェクトを搭載しています。
発売されているプレーヤーはAR-M2とAR-M20です。
立体エフェクトとしてはかなり高品位です。
もし購入されるなら、イヤホンで聴く場合
後発のAR-M20をオススメします。
逆にヘッドホンなら出力の強いAR-M2が合います。
以上!パート1はここまでです。
いったんここで管理人がよく利用しているAmazonのリンクを紹介して、続きの《パート2:自然にサラウンドにする方法》↓にいってみましょう!
《パート2:自然にサラウンドにする方法》
【④イヤホンのケーブルを交換する】
さて、ここからは機械処理による「擬似的な」サラウンドではなく、
イヤホンやプレーヤーそのものにこだわって、
自然に音場を広げる方法を見ていきましょう!!
ケーブル交換…いわゆる『リケーブル』をして、より空間の広いサウンドを目指していきます。
と、ここで初心者の方から「え、ケーブルって取り替えられるの!?」
と疑問が出そうですね。
できます。
ただし、もともと着脱ができる仕様のイヤホンに限ります。
(無理矢理はさみでちょん切ってくっつけるのではありません(笑))
ここでは、ケーブルが着脱可能な代表的イヤホンの紹介と、ケーブルの種類について簡単に見ていきましょう!
[リケーブル可能なイヤホン]
●Pioneer “SE-CH9T”
●JVC “HA-FX850”
●ONKYO “E900MB”
●Ultimate Ears “UE900s”
●radius “HP-TWF31K ドブルベヌメロトロワ”
この5つがオススメです!その理由は、もとから空間が広い鳴り方をするイヤホンだからです!
ケーブルを交換する以前にイヤホン自体の音場が広いので、リケーブルすることでさらなる立体的なサウンドへと進化してくれます。特にPioneerの”SE-CH9T”とUltimate Earsの”UE900s”はとてもコスパが高くイチオシですね。
他にもリケーブル可能なイヤホンはありますが、もとの音があまり空間的に広くないので、リケーブルしてもいまいちです。(もっと高額なイヤホンなら別です。)
ちなみに、着脱部分の形状には大きく2種類があります。
1つはMMCXと呼ばれるもの。
もう1つは2PINというものですね。
丸い形状になっているのがMMCX、2本の細いピンが出ているのが2PIN。どちらかと言うとMMCXのほうが一般的です。上に載せた5つのイヤホンも全部MMCX規格になっています。
[ケーブルの種類]
さてお次はケーブルの種類ですね!
世の中にあるイヤホンケーブル全部を説明してしまうとかなり種類がありますので、今回は「立体的な広がりを出す」ことを目的に、絞って見ていきましょう。
選び方のコツは2つ!
1つ目は芯数が4芯以上のものを選ぶこと!
2つ目は端子(プレーヤーに挿す部分)がバランス(=4極以上)になっていること!
1つ目の『芯数』というのは、わかりやすくザックリ言ってしまえば「ケーブル内を通っている導線の数」です。
通常は3芯が一般的ですので、これを4芯以上のケーブルに変えると音にグッと広がりが出るというわけです!
音の定位(=どの音がどの方向から聞こえてくるか)がハッキリし、細やかな音まで聞き取れるようになるんですね!
ちなみに6芯、8芯のケーブルもあります。
2つ目の『バランス(=4極以上)』というのは、この画像↓を見てみて下さい。
プレーヤーに挿す部分ですね。
左がバランス(=4極)ケーブル。右が通常のアンバランス(=3極)ケーブル。
金メッキ部分の『黒い線』の数が違っていますね。
そう、左は金メッキ部分が4つに分かれているので4極、右は3つに分かれているので3極。
管理人が持ってないので画像はありませんが、新しく5極のものも出てきました。
ちなみにバランス(4極)になっているものでも、サイズが2種類あります。
どちらもバランス(4極)のケーブルです。
左が3.5mmのもの、右が2.5mmのもの。
一般的なのは右の2.5mmです。5極の場合は4.4mmになります。
※もし身近に4極のイヤホンがあったとすると、おそらくマイク・コントローラー付きイヤホンでしょう。この機能があるイヤホンは4極になっています。しかし4つの極のうち1つはマイク・コントローラーの操作用ですので、音声は流れていません。ですので実質音楽に使われているのは3極分…つまり普通のケーブルと同じです。
以上2つのコツをまとめると、
「4芯以上でバランス(=4極以上)になっているケーブルを選べばいい!!」
ということですね!
イヤホン同様、代表的なケーブルを載せましょう。
●onso(4芯ケーブル)
●NOBUNAGA Labs 雷切 改(8芯ケーブル)
●Re:cord Palette8 BAL(8芯ケーブル)
●Beat Audio Supernova(4芯ケーブル)
※全てMMCX規格2.5mm4極のケーブルです。
あとはこれをイヤホンにカチッとはめればOK!!
…と言いたいところなのですが、
あと1つだけ、気をつけなければならないポイントがあります。
実は、普通のプレーヤー(スマホ・iPhone含む)は、バランス(4極以上)での音楽再生に対応していないんです。
やってみるとわかりますが、音が片方からしか出ません。
それでもいいならアレですが…(笑)
ましてや2.5mmだとジャックのサイズが合わずスカスカ、4.4mmに至っては太すぎて入りません。
ということで、次の⑤では「4極に対応しているプレーヤー」を紹介していきます!
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(左のジャックが2.5mmバランス、右が通常の3.5mm。以前持っていたAK320です。)
バランス(4極以上)再生が可能な代表的プレーヤーを見ていきましょう。
端子サイズ順にいきますね。
ただし3.5mm4極はあまり一般的でないので割愛します。
[2.5mm4極プレーヤー]
●ONKYO “rubato”
●Fiio X5 3rd Generation
●iriver “AK70”
●ONKYO “DP-X1A”
●iriver “AK300”
●COWON “PLENUE2”
(管理人イチオシはONKYOのDP-X1Aです。繊細かつクリアな鳴り方でもともと音場が広く、バランス接続をすると一層空間が広がります。コスパの高さでも超有名。)
[4.4mm5極プレーヤー]
●SONY “NW-WM1A”
●SONY “NW-WM1Z”
【⑥究極のサラウンド:パート1(擬似)とパート2(自然)を組み合わせる】
さてここまででほぼ解説は終了です。
記事もけっこう長くなってしまいましたが、ある程度まとまったかなと思います。
同じことを解説している記事はネット上に色々ありますが、どれも部分的な説明ばかりで、全体像を知るためにあちこちのサイトを行ったり来たりしなければなりません。
その意味で今回全体的にまとめられたのは意味があったかなと思います。
ここから先は、もう完全にマニアの領域ですので読んでも、読まなくてもどちらでも大丈夫です(笑)。
立体音響の話の続きではあるのですが、
何をするかと言うとパート1で紹介した「立体効果エフェクト」とパート2で紹介した「自然に音場を広げる方法」を組み合わせるのです。
パート1の
【③サラウンドエフェクトを搭載したハイレゾプレーヤーまとめ】
で出てきて、さらにパート2の
【⑤バランスプレーヤーの選び方】
でも出てきたプレーヤーがありますよね。
COWON “PLENUE 2″やSONY “NW-WM1A”などがそうです。
(”NW-WM1Z”は高いのでまぁ置いておいて…(笑))
そう、ケーブル交換をしてバランス接続できる状態のイヤホンを差し込んで、さらにエフェクトをかけるのです!!
もう一度簡単におさらいしましょう。
①もともと音場が広く、リケーブルできるイヤホンを準備
②4芯以上のバランスケーブルを準備
③COWON “PLENUE 2″かSONY “NW-WM1A”を準備
④イヤホンをリケーブルしてプレーヤーに挿す(バランス接続)
⑤エフェクトをかけて遊ぶ!!
(管理人のCOWON “PLENUE S”です。最初の画像の下あたりに『3D Surround』があるのがわかりますでしょうか。他にもリバーブやコーラスなど色々かけられます。)
最高に楽しいですよ(笑)
エフェクトのかけ方を、やりすぎておかしくなる一歩手前で音楽を聴いてみると、まるで自分の周囲で演奏されているような錯覚になります。
人によっては「不自然」「聞き疲れそう」など、賛否があるかもしれません。
ですが究極の立体音響であることは間違いないでしょう。
興味があればぜひ試してみて下さい。音楽の世界が変わります。